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2006年12月21日 (木)

「僕の歩く道」

ドラマ「僕の歩く道」が終わりました。

31歳の自閉症の男性と彼をとりまくいろいろな人々を描いたドラマです。
自閉症を描いたドラマは今までにもいくつかありました。そのときにももちろん涙しながら見ていたのですが、“今”の私には今回のこのドラマが一番ぴったりくるものだったように思います。主人公のテルが成人している男性で、リョウヘイのこれからと重なるからかもしれません。
「自閉症」という障害によるトラブルやハプニングを通して、彼を取り巻く人々のとまどいと変化、母親や兄妹やその家族との関係、そしてひとりの幼なじみの女性との関係などが、丁寧に描かれていたように思います。
まわりの人は、テルの自閉症特有の行動にとまどい、時には腹をたてたり迷惑に思ったりするのですが、テルに関わっていくうちに、内省を促され、自分自身が次第に変わっていきます。そしてテルを理解していきます。
小さいころからずっとテルの理解者で、面倒を見てきた幼なじみの都古ちゃんは、最後に、「テルが私を必要としていたんじゃない。私がテルを必要としていたんだ」と悟ります。都古ちゃんが唯一安らげるのは、テルの前でだけだったから。
これはドラマだから・・・という部分も確かにあるかもしれないけれど、現実にもこのようなことが、少なくとも私にはあるんです。
私もリョウヘイという息子を持ったことによって自分が随分変わったと思うし、これでも成長したと思う。そして、ことばもろくに話せないリョウヘイだからこそ、そばにいるだけでなんとなく癒される、そんな瞬間があるんです。
だって、この子たちって、本当に純粋なんですよ。人によく思ってもらおうとか、ウケを狙おうとか、ズルしてサボって楽しようとか、そういう気持ちがまったくない。約束は絶対守る。他人に気を遣ったり他人の気持ちを考慮したりすることは難しいから、ドラマの中のテルのように、都古ちゃんに「焼き芋食べようか」と言われて買ってきたのは自分の分だけ、なんていうことはよくあるんですが。でもその一方で、人の気持ちに敏感で、みんなが「しあわせそうだ」と思っている都古ちゃんのことを「都古ちゃんが元気がありませんでした」とわかってしまうようなところもあるんですよね。リョウヘイも、私が落ち込んでいるときには誰よりも先に気がついて心配そうな顔をして私の肩を叩きます。普段私がちょっかい出しても知らんぷりで「チェッ!つまんないの」と思うことも多々あるのですが、悲しい気分のときにリョウヘイがそこにいるだけでホッとする、そんなこともあるのです。

私が一番泣いたのは、第一話の最後。テルの一番の理解者であり、テルが最も頼りにしている幼なじみの都古ちゃんが、自分の恋愛がうまくいかないことでテルに八つ当たりをしてしまう場面。私がよくやることです。八つ当たりしていることがわかっているから、あとで、イヤその最中にすでに自己嫌悪になっています。都古ちゃんもそうだったんだろうな。「テルのせいだからね!」と言って自分のイライラをテルにぶつけてしまったことでテルはパニックになってしまい、これはずっとテルの心の奥底に残ります。
それから、テルがお母さんから“結婚”の意味を教えてもらったときに、「僕も結婚するの?」と聞くシーン、これもせつなかったですね。リョウヘイはそんなこと聞くことすらできないけど、ある程度物事がわかる人は、逆に親はつらいかもしれません。

それから、このお話の大きなテーマは、最近私の障害児ママ仲間では特に話題となっている“自立”。
このドラマでもやはり、長山藍子演じるお母さんは息子の手を離すことがなかなかできずにいます。「自分が死ぬまでこの子の面倒を見る」というつもりでいるのです。でも、それだからほかの兄妹よりどうしてもテルのことばかり気にかかるし、それによって兄妹特に妹は寂しい思いをしています。
私だったらもっとほかの兄妹のことを気にかけるだろうな~、第一、リョウヘイにあんなに気を遣ったり心配したりしないでもっとほったらかしだし。帰って来た息子にいちいちスリッパなんて出してやらん!な~んて思いながら見ていました。
テルは鳶が空に飛んで行く様子を見て、自分も「グループホームに行く。」と言い出します。そして、何ヶ月か後、家族が待っている休みの日に家には帰らないで、都古ちゃんと自転車デート?を楽しむ。
「僕にだって予定があるんだよ」。
障害のある子どもだって、自立していくんですよね。
そして、お母さんをはじめ都古ちゃんや主治医の先生、そしてロードバイクを教えてくれる亀田さんなどの良き理解者がいるからこそ、ほかの人にも理解が深まっていくのを見て、やはりまわりのいろんな人に支えられて生きているんだなぁ、と実感。もちろんこれは障害者に限ったことではありませんが。

「自閉症」というと、引きこもりがちで自分の殻に閉じこもった人、または親の育て方によって生じたいわゆる心理的な病気のことをいうのだと思っている人が今でも少なくありません。
「障害」が恋愛ドラマなどの“スパイス”に使われるのはイヤだけど、正面から「障害」そのものを扱ったドラマが、少しでも人々の理解を深めたり広げたりしてくれるのなら、それはいいことだと思います。
「僕の歩く道」は視聴率もまぁまぁよかったみたいだし、「自閉症」のことを少しでもわかってくれた人が増えたかもしれませんね。もちろん、自閉症の人みんながテルと同じというわけではないのは当然としても。

テルを演じた草なぎクン。このあいだFNS歌謡祭の司会でテルのしゃべり方になってるような気がして心配したけど(笑)、よかったと思いますよ。キムタクにはできない役だよね(笑)。
あ、ひとつだけ。
テル、目がうつろすぎじゃないかな~?自閉症の人って、確かに表情に乏しいかもしれないけど、でももっとニコニコしてたりするよ?
・・・・・イヤ、リョウヘイの場合、“ヘラヘラ”か・・・・・。



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コメント

自閉症というと「引きこもり」「暗い人」などと誤解されやすいですよね。
私はこのドラマを見てなかったのでドラマの中でのテルの表情は分かりませんが予告で自転車に乗るテルを見た時、正直(う~ん・・・)という感じでした。
それと以前、放送された「光とともに」の光クンも表情をあまり出す子でなかったと記憶してるのですが自閉症の人は『おとなしい人』と思われないかな~と思った事ありました。
うちの長男は人懐っこくて知らない人にも、その場とは全然関係ない事を笑顔で話しかけちゃうタイプ。
小さい時は(あらっ可愛いわね~)で済んでましたが、もう体も大きくなってきたので相手の方はびっくりしちゃいますよね・・・
同じ自閉症でも色々なタイプがいるという事をもっと伝えて欲しいな~と思います。
・・・でも「僕にだって予定があるんだよ」。こんな事を長男に言われたら
嬉しいけどショックうけそうだわ・・・(笑)

今日はまさやんの誕生日ですね♪めでたい、めでたい♪

投稿: シナモン | 2006年12月23日 (土) 23:35

>シナモンさん

まさやんのお誕生日、梅酒で乾杯してます(笑)
お酒が飲めたらいいのにな、って、毎年思うんだけど・・・。

そうそう、ウチのリョウヘイも、すごーく人懐こくてかわいかったのよ~(親バカ)!
シナモンさんの息子さんもかわいいんだろうな~。
自閉症の子ってかわいい子多くない?(これも親バカ?)

自転車デートなんて、リョウヘイには無縁の世界だけど・・・。
でももしそんなことがあったら、自立してくれるのはうれしい反面、複雑かもしれないな。
親って勝手なものなのよね・・・(笑)。

投稿: タケちゃん→シナモンさん | 2006年12月24日 (日) 00:30

リョウヘイ君も人懐っこいんですか?
周りのお友達を見ても人懐っこくて可愛いタイプの子、多いです。
それに、この子達って目がキレイだと思うんです。長男も人と目を合わせるのが得意ではないけど、時々、私の目をジッ~と見つめくる時なんて〔なんて可愛いんだ〕って・・・(大親バカ!)
と言っても長男は「美形」とか「ハンサム」とは程遠くて、いわゆる「愛嬌のある顔立ち」。
この愛嬌だけで何とか生きていってほしいなと本気で思う今日この頃です(笑)

投稿: シナモン | 2006年12月25日 (月) 13:33

>シナモンさん

リョウヘイは小さいころは人懐っこくてみんなに可愛がられたけど、今はけっこう人を見ますね~。
気難しい顔をしているときもあればヘラヘラしているときもあり・・・。

親バカけっこう!(笑)
そうじゃなきゃ子育てなんてやってられませんよ~。
きっと息子さんとってもかわいいんだろうな~。想像つく気がします。
この子たちっていろんな意味でかわいいですよね。
将来誰かに支えてもらって生きることを考えると、愛嬌は大事です!(笑)みんなに愛される人になってほしいよね!

投稿: タケちゃん→シナモンさん | 2006年12月25日 (月) 23:01

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